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#006|12月の快晴の木曽駒ヶ岳で雪山デビュー!18/12/21

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雪山デビューを果たす山を選んだ条件

さて、登山靴 SIRIO P.F.731、12本爪アイゼン Grivel エアーテック Jマチック、そしてピッケル Grivel Monte Rosa plusを購入した翌日 2018年12月21日(金)に本格的な雪山デビューを果たしてきました!新規に購入した道具を使うのは本当にワクワクします。アイゼンの長さ調整など入念に準備して登山に備えます。



雪山初心者向けの山としては、八ヶ岳の北横岳や、群馬県の赤城山などが有名ですが、今回デビューを飾る山をどれにすべきか...今回は下記の条件を設定しました。

  • 天気:当日の天候が「晴れ」であること
  • アクセス:神奈川から日帰り可能であること
  • 路面状況:駐車場までノーマルタイヤで到着可能なこと
  • レベル:初心者〜中級者向けで行動時間が往復5時間内であること

「てんきとくらす」で天候をチェックしながら、当日の気象条件が良さそうな地域を絞りつつ、雑誌やインターネットでひたすら情報を集め、検討を進めます。

 

雪山デビューに選んだのは中央アルプスの盟主 木曽駒ヶ岳

吟味した結果、今回選んだのは中央アルプスの盟主としてもお馴染みの木曽駒ヶ岳です。今回は冬の登山ですが、通年でも人気の山ですね。


木曽駒ヶ岳の特徴は、なんと言っても、ロープウェイで2,600mまで高度を稼ぐことができること。2,612mの高さに位置する、日本一高い駅としても有名なロープウェイ駅「千畳敷駅」の目の前には千畳敷カールが広がっています。この素晴らしい景色を見るだけでも行く価値は間違いなくあります。そして、そこから木曽駒ケ岳2,956mの山頂までは約300m強の高低差。

山頂付近は強風が吹き付けることで有名ですが、天候さえよければ、登山のハードルはグッと下がります。

この日は高気圧が本州の真上に位置する、これ以上ない気象条件。「てんきとくらす」の登山判定も当然「A」。風速も3,000mの高度で10m程度のようで、最高の登山日和になりそう。出発前から、期待感と緊張感が高まります。この、登山前夜の感覚、とても好きです。

 

いざ出発!まずは菅の台バスセンターへ

ロープウェイが出発する「しらび平」駅までの道はマイカー規制のため自家用車での乗り入れはNG、基本的には路線バスで向かうことになります。そのため、まず向かうのは路線バスの停留所「菅の台バスセンター」。駐車場併設のため、マイカーの場合はこちらに向かうのが定番。


バスの始発が8:15のため、7:30頃には駐車場に着きたい。カーナビで時間を逆算して、当日は4:45に起床。5:15頃に神奈川県にある自宅を出発しました。この時間帯はさすがに道も空いていて快適。途中コンビニで朝食と行動食を追加で購入。

下道から中央道に乗り換え、目指すは駒ヶ根IC。音楽で気分を盛り上げながらひたすら進みます。朝焼けと共に周りの景色がとても綺麗に現れてきます。特に、中央道の右手に見えてくる八ヶ岳の姿には心奪われつつ、安全運転で走ります。

駒ヶ岳ロープウェイのアクセスのページには東京から駒ヶ根ICまで3時間30分とありますが、この日は7:40頃に無事に駐車場に到着です。菅の台バスセンターは駒ヶ根ICの出口から5分程で着きます。このアクセスの良さも人気の秘密かもしれません。グリーンシーズンの駐車場が相当混雑すると言うのも頷けます。

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菅の台BCで始発バスを待ちます

この日は金曜日ということもあり、登山客は始発組で15名程度でソロが多め。駐車場ですぐ隣に停めていた男性と会話したところ、谷川岳に行こうと思っていたが天候が悪いため、急遽、天気の良かった木曽駒ヶ岳に変更したとのこと。やはり、快晴を狙ってきている方も多い様子。お互い、初の木曽駒ヶ岳ということもあり、装備などについて情報交換してバス乗り場に向かいます。 

 

ロープウェイで千畳敷駅へ

バスは定刻通りに出発。ロープウェイが出発する「しらび平」駅まで約30分の行程です。車窓から眺める景色も途中からすっかり雪山に。高揚感が更に高まります。天気も最高!

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道中の景色も徐々に雪山に...

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駒ヶ岳ロープウェイ「しらび平」駅

無事にしらび平駅に着いたら、そのままチケット売り場へ。

バスが出発する前に車内で説明がありますが、この日はバスセンターのチケット売り場は空いておらず、行きのバスの運賃は現金精算。残りのロープウェイ往復と帰りのバスのチケットは、しらび台駅のチケット売り場で購入できるとのことでした。

この駒ヶ岳ロープウェイについては「駒ヶ根まるごとバリューきっぷ マイカープラン」という、ロープウェイとバスの往復チケットに加えて、千畳敷駅に併設されているホテル千畳敷でのドリンク券がセットになっているお得なチケットも販売しているみたいです。他にも売り場にてモンベルや好日山荘の会員証提示で割引になったり、スマホアプリのYAMAP提示でも割引があるようです。自分は後で知りましたが... 涙。

気を取り直して、バス到着から約20分、8時5分のロープウェイ始発便で出発です!

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ロープウェイで千畳敷駅へ向かいます

 

目前に広がる千畳敷カールに感動

ロープウェイの速度は速く、7分程で千畳敷駅に到着。ロープウェイからは南アルプスの山々が綺麗に見えました。他のお客さんが前方で何か盛り上がっていると思ったら、どうやら真下に熊の姿が見えたらしいです。まだ、活動しているんだ... 熊。見たかったな...熊。

千畳敷駅を降りると建物内には登山届けや、アイゼンの着脱場所があり、そこを出ると、ついに千畳敷カールとご対面。これぞ雪山と言わんばかりの圧倒的なスケール!
 

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一面に広がる千畳敷カール

空には雲一つない快晴。千畳敷カールにおいてはほぼ無風で太陽の下に立っていると暖かく、とても気持ち良かったです。このような日に山登りができること喜びを感じつつ、準備を進めます。

 

いざ出発!目指すは乗越浄土!

登山届けを記入後、アイゼンやヘルメット等を装着し、装備も完了。本来であれば雪上の場合、平面ではトレッキングポール、斜面ではピッケルといった併用が楽なようですが、今回はピッケルの扱いのトレーニングも兼ねていたので、トレッキングポールは車に置いて、ピッケルに専念することにしました。

さて、いよいよ出発。まずは目の前に広がる千畳敷カールを登攀し、乗越浄土に向かいます。

雪の量が多くないことから、夏道と同じように、千畳敷カールを斜めに横切るようにトレースが付いていましたが、この斜面は雪崩も多く、本来であればカールの底から直登するルートが冬季は一般的なようです。

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トレースを頼りに千畳敷カールを進みます *写真は下り時のもの

 

準備を入念にしていたら、出発が遅くなってしまいましたが、目の前に広がる景色を楽しみながら出発。アイゼンの装着感もバッチリで快適に進んでいきます。前半はトレースがしっかりしているので快調。数組を追い越したら、後半の斜面の手前で一呼吸。天気が良く、体温もすっかり上がって来たので、フリースを抜いてウェアリングを調整。

上を見上げると先行するのは1名のみで、すでに斜面の中腹を登っています。ちょうど昨日、吹雪だったようでトレースはかなり埋もれており、ここからが本番といったところ。まだまだ元気なのでペースを崩さずにどんどん登っていきます。雪が柔らかくピッケルが効かない箇所も多く、バランスに注意しながら登っていきます。

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斜面中腹から千畳敷カールと南アルプスを臨む

 

時折、呼吸を整えながら登って来た道を振り返ります。広がる千畳敷カール、そして奥には南アルプスの山々が見えます。 素晴らしい風景です。本当に来て良かったなと嬉しくなります。これがあるから頑張れる。

適度な風が心地良く、ペースを落とすことなくしばらく登っていくと、先行の男性に追い付きました。どうやら傾斜がかなりキツくなってきたのでワカンを装着して登るとのこと。男性は今朝、駐車場で会話した方でした。「やっぱりスノーシューを持って来た方が良かったかな...」と話しながら、待機します。個人的にはアイゼンのみでまだまだ登れる気がしましたが、トレースがほとんどなく、このあたりからはラッセルしながらの登攀だったので、それが正しいのかもしれません。

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かなり傾斜がキツい箇所がこのあたり

ここからはもう一踏ん張り。標高も高く酸素が薄いせいか、かなり息も上がって来ますが、乗越浄土が少しずつ見えて来ます。木曽駒ヶ岳の登りは、この乗越浄土までの登攀がほぼすべてなので、はやる気持ちを抑えて、一歩一歩確実に足を進めます。

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乗越浄土までもう少し

 

乗越浄土に到着!

最後の一踏ん張りで、ようやく乗越浄土に到着。千畳敷カールを出発して40分強での到着でした。暖かいお茶で一服。雪一面の世界に見惚れます。

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乗越浄土まで上がると別世界でした

 

千畳敷カールからは、上の方では雪が舞っているのが見えていましたが、やはり噂通り、乗越浄土まで上がると風が強くなってきます。すぐに身体も冷えてくるので、こちらも今回購入したバラクラバを装着し、休憩はそこそこに中岳方面へ進みます。木曽駒ヶ岳に登るには、この中岳山頂経由が冬季の一般ルート。

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奥に見えるのが中岳

 

まずは中岳に登頂!

乗越浄土からはアイゼンを地面にザクザクと効かせながら進んでいきます。時折突風が吹いてきますが、日によっては暴風になるらしいので、この日の風はまだまだ落ち着いているようでした。

アイゼンは12本爪の場合は前爪が出ているので、自分のウェアに引っ掛けないように逆ハの字で注意して歩きます。また、氷に爪が引っかかって足を取られやすいので、そのあたりも要注意。雪山はやはりグリーンシーズンとは違い、こういった歩行技術に関しても学び多く、楽しいです。

ウェアについても、ハードシェルパンツが良いのは言うまでもありません。他にも冬季の場合は雪の侵入を防ぐためにゲイターを装着することが望ましいですが、このゲイターにはアイゼンの爪からパンツを守ると言う目的も。各メーカーから頑丈な生地を用いた冬モデルが販売されています。

実は、このパンツについては、自分の場合はかなり特殊な選択&考え方をしているので、これもまた別の機会に書きたいと思います。

それにしても、12月の雪山だけあって、エビの尻尾が凄い!ついつい写真を撮ってしまいます。やはり強風が吹く山は一味違います。

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エビの尻尾が凄い!

 

乗越浄土からは景色を堪能しつつ、15分もあれば中岳山頂に到着。この山頂から登って来た乗越浄土からの道を振り返り、そして、これから登る木曽駒ヶ岳を臨みます。中岳からの展望も素晴らしく、木曽駒ケ岳の向こうには今年から登山が解禁された御嶽山も。暫しの間、展望を楽しんだら、今日の目的地である木曽駒ヶ岳を目指します。

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中岳山頂に到着!

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登ってきた乗越浄土方面

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中岳より臨む木曽駒ヶ岳(奥に見えるのは御嶽山)

 

ついに木曽駒ヶ岳に登頂!

中岳を一度下りますが、この下りは路面が凍っていることに加え、岩が露出しているところも多く慎重に下ります。膝を少し曲げて、きちんとアイゼンを地面に効かせて一歩一歩進んでいきます。

中岳を下ったら、10分程でついて木曽駒ヶ岳に登頂!先行の男性は写真を撮りながら登っていたので、なんと自分がロープウェイ始発組の一番乗りでの登頂でした。

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木曽駒ヶ岳神社に無事に登頂できたことを報告

 

山頂からの眺めは素晴らしく、そして、山頂を独り占めするのは、とても気持ち良かったです。誰もいない冬の山。360度、どの方向にも広がる展望。中岳から見えていた御嶽山はもちろん、北アルプス、南アルプス、八ヶ岳など。日本にはこんなにたくさんも山があって、どれも美しいなと、しみじみと思い浸ります。

感慨深かったのは、やはり、秋に登った北穂高岳が見えたこと。あそこに登っていたと言う事実が不思議に感じます。北穂高岳から続くのはもちろん大キレット、そして槍ヶ岳。来年は表銀座の縦走にぜひチャレンジしたいと思います。

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北アルプスの山々

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御嶽山がとても美しかったです

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中岳方面には宝剣岳の姿も

 

突然訪れた一瞬に感動

木曽駒ヶ岳山頂は風も強かったですが、避難できる場所を探して休憩。サーモスに入れてきた温かいお茶とおにぎりでお昼にします。お茶は熱いよりは温かいというレベル。風の強い山頂でバーナーを出してお湯を沸かすのもなかなか大変なので、この辺りは考えもの。自宅ではなく、駐車場に着いた時点でバーバーでお湯を沸かして携行するのが良いかもと、おにぎりを食べながら考えていました。

30分程の休憩を楽しんだら下山することにします。

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木曽駒ヶ岳方面に向かう登山者の方々

 

下山は基本は同じルートになるので、のんびりと楽しみながら歩きます。トレースのない斜面を降りたり、一人で滑落訓練をしたり、練習しながらの下山でした。相変わらず天気は良く、すれ違う人と挨拶したり、素晴らしい景観を楽しみながら、戻ります。

そして、最後に感動したのが、乗越浄土から千畳敷カールまでの下りに差し掛かった瞬間。

風が無風になり、あたり一面が無音に包まれました。そして、目の前に広がる南アルプスと千畳敷カール。雪が音を吸収してくれるので、自分が立ち止まった瞬間に訪れたこの瞬間は鳥肌が立ちました。これは、他の季節にはない、雪山でしか味わえない感覚でした。

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突然訪れた無音の世界

 

無事に下山...

下りも順調に進み千畳敷駅には12時15分頃に到着。アイゼンを外し、ウェアをパッキングします。また、この時間だと、これから登る人も数名見られました。

帰りのロープウェイまで時間があったので、駅の構内でバッジを購入し、展望の良い席に座って、カフェラテでのんびり過ごします。

ロープウェイからは最後の展望を楽しみつつ、余韻に浸りながら、帰路に着きました。

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千畳敷駅にあった案内図

 

雪山デビューを振り返る

何よりもまず晴天に恵まれたおかげで、素晴らしい雪山登山になりました。平日で登山客が少なかったのも非常に良かったです。

また、新規に購入した道具の具合も良く、最後まで快適に過ごせました。特に良かったのは登山靴のSIRIO P.F.731。フィット感が素晴らしく、保温性も高く、今回のような雪山登山であれば十分に対応できる性能があることがわかりました。しばらくは相棒として活躍してくれそうです。

今回はまだまだ雪の少ない時期の登山でしたので、今後もスキルアップを目指しつつ、今は持っていないワカンなどの道具も拡充していきたいと思います。今シーズンの目標としては、1月に初心者レベルの雪山をもう一度、そして残雪期の3月あたりに数回登ることを目指してチャレンジしていきます。

 

参考:コースタイム

日時:2018年12月21日

天気:快晴

  • 9:32 スタート
  • 10:13 乗越浄土
  • 10:29 中岳 山頂
  • 10:51 木曽駒ヶ岳 山頂
  • 11:23 下山開始
  • 12:14 ゴール

 

 

#006|快晴の木曽駒ヶ岳で雪山デビュー!18/12/21 / 完